日本人のABO血液型分布について(更新中)

(2009-02-21追記)アバウトミーでアンケート実施中〜

あっという間に200件。こーしてみると、ちゃんと正規分布っぽくなってるなあ。
A型4割:O型3割:B型2割:AB型1割
ハーディー・ワインベルグの法則って、合ってるんだー
(それなりに納得^^)

池谷裕二と血液型の遺伝学 - NATROMの日記でのコメント。

tom-kuri wrote;
こんにちは。古いエントリーへのコメントで恐縮なんですが、常々ギモンに思っていることで。本当に「そもそも日本人のABO血液型分布って、4:3:2:1なんでしょうか?」。確かなソースを見たことがないんですけど。「昔の本に書いてありました」みたいな話ばっかりで。
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa3525512.html
なんか見てもバカ満載でビックリというかウンザリ(笑)

tom-kuri wrote;
たびたびすみません。見つけました。
http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/textbiodiv/Chapt7.doc から

日本人の献血者の全国資料(Fujita Y, Tanimura M and Tanaka,K 1978.The distribution of the ABO blood groups in Japan. Jpn J Human Genet 23:63-109.)によると、A型は1,725,950人、B型は988,996人、AB型は444,979人、O型は1,305,924人であったという(合計4,465,349人)。各型の比率を求めると
           A型=0.386521(p2+2pr)
           B型=0.221482(q2+2qr)
           AB型=0.099540(2pq)
           O型=0.292457(r2)
となる。

ちょっと待てよ。「日本人の献血者の全国資料」ってば全然ニュートラルじゃないと思うんですけどー。よく「O型の血液が不足しています〜」とか言ってるしねえ。うーん…

tom-kuri wrote;
3たびすみません。
http://www.fukushima-bc.jp/html/bunpu.htmから

「日本人のABO式血液型の分布は、田中克巳氏らの4,464,349名の集計結果によりますと、A型38.7%・O型29.2%・B型22.2% そしてAB型9.9%となっています。」
◆参考資料
古畑 種基:血液型の話、岩波書店、1962
Fujita,y., Tanimura,M., & k.Tanaka.: The distribution of the ABO blood groups in Japan. Jap.J.Human Genet., 23:63〜109 1978

これだ。ハーディー・ワインベルグの法則が適用されるとするなら文献が旧いこと自体は問題ないけど、要はその調査の正確性ですよね。出たな、古畑!

それに対するご回答。

NATROM wrote;
報告によっても多少の誤差はあるでしょうが、概ね「日本人のABO血液型分布って、4:3:2:1」で良いかと思います。「日本人の献血者の全国資料」については、もし血液型によって献血行動に差があるとするならばニュートラルではないですね(後述)。ただ、「O型の血液が不足しています〜」というのは、献血者ではなく、輸血を必要とする人に偏りがあるからだろうと思います。この偏りは、(たとえばO型の人は交通事故に合いやすいなどという偏りによるものではなく)nが小さいゆえであり、常に特定の血液型が不足することはないと理解しています。O型が不足している日もあれば、B型が不足している日もあるでしょう。AB型は少数派のためストックが底をつきやすいということはあるかもしれません。

さて、血液型によって献血行動に差があるかどうかですが、少なくとも統計的な有意差として見えるほどの強い差はないと言えます。よしんば血液型によって献血行動に差があり、たとえばA型の人は他の血液型の人と比較して献血に行きやすいということがあったとしましょう。すると、「日本人の献血者の全国資料」で得られるデータは、真の日本人集団と異なり、A型が多くなります。するとそのデータではハーディ・ワインベルグ平衡は成立しなくなります。「たまたま偶然にハーディ・ワインベルグ平衡が成立するように血液型によって献血行動に差がある」という可能性もゼロではないですが、きわめて低いと思います。

しつこいわたくし(笑)

tom-kuri wrote;
NATROMさん、コメントのコメントありがとうございました。
なるほど。理解できました。あと微妙に分からないのが「同じA型でもAAとAOがあり、B型でもBBとBOがある」ので、例のトンデモ池谷のシミュレーションでは、そこを間違えたんじゃないかとも思うのですが、上記(A4:O3:B2:AB1)の比率のうち、AとB内のそれぞれの比率は無関係なんでしょうか?(全然理解できてないか、もしかして^^;)

次号を待て!

(5/15追記)
あ、分かった。A型、B型、というのは因子の発現に過ぎないから「A0」とか「BB」という血液型の人がいるわけじゃないんだな。親がAとOで、その子どもがAやOになるだけで…で、問題はその可能性なんだけど(4×4の)16通りでいいんだろーか? う〜ん、よう分からん(頭悪杉?)

 うぃー、一部は合っている模様。

NATROM wrote;
池谷のシミュレーションのどこが間違っていたのかはわかりませんが、ご指摘のように、表現型と遺伝子型の混同はありそうな間違いの一つです。