『ツヴァイク短篇小説集 』を読んだよ。


http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?USID=&W-NIPS=997445817X
amazonには書影が載っていないので(khipu :: BOOK DARTSに書かずに)ここでレビューしてみる。いや単なる引用かも(笑)
上記URLから

◆猩紅熱◆エーリカ・エーヴァルトの恋◆駄目な男◆昔の借りを返す話◆置きざりの夢◆十字勲章◆リヨンの婚礼◆ある破滅の物語◆森に懸る星◆レポレラ
ISBN:9784938391256 (4938391252)
362p 19cm(B6)
平原社 (2001-02-10出版)

「昔の借りを返す話」がいちばん好きだ。
http://yae.weblogs.jp/home/2002/02/post_8.htmlから

中年の裕福な婦人が休養のために山村を訪れたときに、少女の頃、恋焦がれた舞台俳優が、年をとってよぼよぼになって村の人々から虐げられている姿を発見。少女時代にその俳優に狂信的にいいよって、彼から紳士的に断られ、世間から後ろ指をさされずにすんだって記憶を持つ彼女は、薄汚れてどうしようもないジジイとなった彼の誇りを守るため、一世一代の大嘘をつくのだ。

休養から帰ってきてから友人に書いた手紙という形式をとっている。その締めくくりの言葉がすばらしい。

幸せであることほど人を健康にするものはありません。他の人を幸せにすることほど、大きな幸せはありません。

ここで言う幸せとは、もちろん「個人の尊厳」のことだ。一人ひとりの人生の中に「内的な歴史」を築く権利がすべての人に等しく与えられている(そうあるべきだ)ということだ。
訳者の長坂聰(さとし)先生は、わたくしのゼミの教授であり、この珠玉の短編集は先生が大学を退官されてから上梓したものだ。一ゼミ生としてこれほど誇らしいことはない。