「恐竜は絶滅した、しかし人類は──」とか言うな!

よくあるフレーズ。しかしこれは二重の意味で間違っている。
第一に、人類は「ホモ・サピエンス」としてたかだか数万年、文明の歴史で数千年。
恐竜が繁栄した期間とはタイムスケールが3桁以上違う。

そうそう、第二に。「恐竜」とは「種」ではない。
分類学的には「界−門−綱−【目】−科−属−種 中の『竜盤目 Saurischia』と『鳥盤目 Ornithischia』を指す。(恐竜 - Wikipedia
ヒトは「動物界−脊索動物門−哺乳綱−サル目−ヒト科 Hominidae−ヒト属 Homo」の【ヒト種 sapiens】なのであるから。(同:ヒト

ちなみに『イヌ』は「動物界−脊索動物門−哺乳綱−ネコ目(食肉目) −イヌ科−イヌ属−タイリクオオカミ種−イエイヌ亜種」で、起源は人類より新しい(およそ1万5千年)。まあ人間が作った亜種だから当然だけど。

人類も一つの種に過ぎないから──進化するにせよ絶滅するにせよ──永遠の存在であるはずがない。知的生命体でもある人類は身体以外を拡張することによって進歩してきたから、そのスピード故に絶滅の可能性が外的要因(ex.巨大隕石の衝突)以外の要因で自滅することだって十分にありうる。

そして人類の繁栄は(この惑星に留まる限り)「動物界」より上の、さらに上の『地球圏』の存続なくしてはありえないのだから、人類と恐竜を同じ次元で語ることがいかに僭越かが分かるというもの。