それはそれとして

「やれやれ」は1回だけだが「それはそれとして」は多用されている。つまり著者はこの本のファンであるにちがいない。いや、いい意味で。つまりこういうことだ。この小説を一言で書けばこうなる。間違いない。

 確かに、この世界は狂っています。あなたにとってこの世界が意味をなさないと言うのなら、それはあなたの言うとおりです。この世界はまったく意味をなしていません。
 大切なことは、それについて不平を言うことではありません。希望をすてることでもありません。それはこういうことです。世界は意味をなしていません。しかし、あなた自身は意味をなすことが可能なのです。あなた自身は一人の人間としての意味を発見できるのです。それがこの本のポイントです。これは、狂った世界の中にあって人間として意味を見つけることについての本です。