NHK「未来への提言 日本文学研究者 ドナルド・キーン」を見たお。

finalventさん推薦! 〜もう一つの母国 日本へのメッセージ〜

 ドナルド・キーンは、ちょっと読んだくらいでは凡庸というか定番的な学者に見えるかもしれないけど、いえいえ、ものすごい学者ですよ。そして、20世紀の代表的「日本人」。
 というか、日本文学に通じるものを、大衆との対話のなかで見つけてしまうというあたりも、おそらく内面の深い傷がそうさせたのだけど、希有なことであり、日本の僥倖だった。というか、日本文化というはこういう人を作り出してしまう。民族とかではなくて。

 不肖わたくしもキーン先生の『明治天皇を語る』を読んだとき、こうレビューに書きました。
khipu 明治天皇を語る - 二つめのライフワークで、いきなりホームラン! (LISApapa@BOOK DARTS)から

 太平洋戦争敗戦後、進駐してきた総司令官がマッカーサーであったことが、日本にとって幸運だったように、作者がこの本で言う「鎖国を解禁したとき、我が国の指導者が明治天皇であったことが、日本にとって幸運だったように」、日本の研究者としてドナルド・キーンが来日してくれたことが奇蹟であるように思える本である。

 番組を見ていて、やはり感じたのは「人や物事の悪い面を批判するんではなくて、人や物事の良い面を見つけて褒める」という、先生の基本的なスタンスです。褒めて伸ばす、よい教師の典型ですねー。わたくしたちは、出来の悪い子ですけれど、何とか先生に認めてもらえるように頑張ろうではあーりませんか。

 先生の次のテーマは「正岡子規」。おお、楽しみです〜