『雇用大崩壊―失業率10%時代の到来』を読んだお。

雇用大崩壊―失業率10%時代の到来 (生活人新書)

雇用大崩壊―失業率10%時代の到来 (生活人新書)

(今年37冊目)
 韓リフ先生こと、田中秀臣氏の最新刊! にわかリフレ派のわたくしにとっても分かり易く、かつコンパクトでコンテンポラリーな内容。これこそ新書の真骨頂でありますな。先生の本は今まで『エコノミスト・ミシュラン』しか読んだことないのだけれど、とても共感できるのは、finalventさんのブログや矢野浩一さんのブログを愛読しているからなんですね。
 何を隠そう、不肖わたくしのゼミの先生は「世界の名著」資本論の訳者でもある、長坂聰先生でありまして、また高校時代に読んで感動した経済本は、シカゴ学派ミルトン・フリードマンの⇒選択の自由―自立社会への挑戦 (日経ビジネス人文庫)であります。マルキストマネタリスト−リフレ派、一見相容れない感じがするけれど「物価は貨幣の量で決まる」と言っていることは同じで、要はそれが真理だということですw
「どうしてインタゲを日銀が採用しないのか」。それは「226」と「1973」のトラウマですよね? と。
 話は変わりますが、社会学者である経済学者と自然科学者の進化学者の共通点は「実験室で理論の確認が取れない」ことだと思います。だから過去の歴史や資料にあたって仮説を立てるしかない。しかも前者は、その時の政治・金融・財政政策に密接な関係がありすぎる。だからこそ、こういった新書で世論に訴えることの意義があるのだ、と感じました。