「牛インフルエンザ」というのはあるのか?

(最新情報追記:5/12)
「新型」致死率、100万人超死亡「アジアかぜ」並み…WHO(読売新聞) - Yahoo!ニュースから

新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の致死率は、世界で100万人以上が死亡した1957年のアジアかぜ並みの0・4%で、感染力も季節性のインフルエンザより高いとする分析結果を、世界保健機関(WHO)と英国、メキシコの研究チームがまとめた。12日、米科学誌サイエンス電子版に緊急報告された。

先日読んだ本(ただいま下巻)。

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

この中に「家畜化できる動物は限られている」という話が載っていて。

三大家畜と言えば、鶏・牛・豚だろう。種として旧い順に並べてみたが、「豚インフルエンザ・ウイルスは、もともとは人間のウイルス」らしくて、豚が最も進化の順でいえば人間に近いのだから感染しやすいのは当然とも言える。

鶏・牛・豚を、Wikipediaで引いてみよう。
wikipedia:ニワトリ

界 : 動物界 Animalia
門 : 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
綱 : 鳥綱 Aves
目 : キジ目 Galliformes
科 : キジ科 Phasianidae
属 : Gallus
種 : gallus
亜種 : domesticus

wikipedia:ウシ

界 : 動物界 Animalia
門 : 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
綱 : 哺乳綱 Mammalia
目 : ウシ目(偶蹄目)Artiodactyla
亜目 : ウシ亜目(反芻亜目) Ruminantia
科 : ウシ科 Bovidae
亜科 : ウシ亜科 Bovinae
族 : ウシ族 Bovini
属 : ウシ属 Bos
種 : ウシ B.taurus

wikipedia:ブタ

界 : 動物界 Animalia
門 : 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
綱 : 哺乳綱 Mammalia
目 : ウシ目(偶蹄目)
科 : イノシシ科
族 : イノシシ属(Sus)
種 : イノシシ(scrofa)

で、牛インフルというのはないようだが、wikipedia:馬インフルエンザというのはあるんだってね!(人には感染しないらしい)牛由来の怖い病気と言えば、wikipedia:狂牛病かー(これは羊由来?)
と、だんだん意味のない散漫なエントリーになってきたので(Wikipediaの紹介ページか?)ここいらで止めとくが、今回の最大の収穫はこのサイトを見つけたことだな!(笑)
 

2009-05-10追記)
時事ドットコム:全世界の犠牲者50人超−新型インフルから

全世界の感染者は日本を含む30カ国・地域で4300人を超え、死者は53人に達した。

53÷4300≒1.2% だから、通常のインフルエンザの死亡率より高いじゃん!
図録▽インフルエンザによる死亡数の推移から

20世紀に大流行した新型インフルエンザ
発生年 名称 型 死者数 致死率
1918年 スペイン風邪 H1N1型 4000万人2.0%
1957年 アジア風邪 H2N2型 200万人 0.5%
1968年 香港風邪 H3N3型 100万人 0.5%
*季節性インフルエンザは日本で1万人前後(致死率0.05%)
(資料)毎日新聞2009年4月30日

今度の新型インフルエンザはこれまでのところ全身感染を引き起こさない弱毒性のものであり、人類にとって免疫がないため広範囲に広がるおそれが大きいが、致死率は大きくないのでとんでもない死亡者数には必ずしも結びつかないようだ。ただ、免疫がないので感染者数自体が非常に多くなり、致死率は低くとも死亡者数の絶対数はかなりの値となる可能性がある。毎年の季節性のインフルエンザでも多いときには1万人以上の死亡者数(併発した肺炎等による死亡を含む)となっているので、それ以上の死亡者数の発生も可能性としては否定できない。また「スペインかぜ」も、弱毒性が流行の途中で変化したタイプだったというYOMIURI ONLINE 2009.4.30)ので注意が必要だ。