現在、日本最高の名文家。

先見日記 Insight Diaries
間違いなく、駒沢敏器さんでしょう。上手すぎる。どうしたらこんな「情景が目に浮かぶような」文章が書けるんでしょうか。

 やがて自分の番が来て、タクシーに乗って家に帰る間ずっと、僕は自分ならどうしただろうかと考え続けた。ぎりぎりのタイミングで「お先にどうぞ」ということくらいは、出来たと思うし実行していただろう。しかし問題はそこにあるのではなくて、相手に有無を言わせないほどの迫力と確信を伴った真剣な愛情を、自分はあんな一瞬で持ち得るのだろうかというところにあった。

思うに、書くということは考えるということなのだ。考え続けることができる者だけが、書き続けられるのだろう。きっと「生きる」ということも同じなんだろうな。炭水化物を摂取して大気中の酸素で燃焼させているだけでは、生きていることにはならないんだ。ましてや、脂肪に変換して体内に貯蔵するだけの日常なんて(笑)