山猫さんのmixi日記 :【メモ】マイク・グラベル:逆に引用が米w

グラベル爺、最高です。

http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2007/05/post_9dcc.htmlから


「異色のド根性大統領候補:マイク・グラベル

 実際に合衆国大統領になれる可能性がほとんどないとしても、マイク・グラベルほど愉快
 な大統領候補はいないだろう。彼ほどアメリカの懐の深さを体現した人物は、最近では
 珍しいのではないか。

 ところで、マイク・グラベルって誰だ?

 2008年度大統領選に民主党で一番早く名乗りを挙げたマイク・グラベルは、マサチューセ
 ッツ州スプリングフィールド生まれの76歳。21歳で米陸軍に入隊し、5年ほど陸軍防諜
 部に勤務。後にコロンビア大学で経済学を学び、1969年から1981年までアラスカ州
 出上院議員を務めている。

 フランス系カナダ人移民の家庭に生まれたグラベルはフランス語に堪能で、カナダのメ
 ディア取材にはフランス語で対応している。一方で、米国内メディアはこの風変わりな
 合衆国大統領候補を1年間全く無視してきた。しかも、選挙資金が全くないグラベルは、
 出馬表明後もニューハンプシャー州以外ではほとんど遊説していなかった。

 2007年4月26日、サウスカロライナ州立大で最初の民主党大統領立候補者討論会が開
 催された。舞台に現れた8人の民主党大統領候補者の中に、見知らぬ白髪の老人の姿が
 あった。「あの爺さん、誰?」と皆が首を傾げたのも無理はない。支持者達の関心の的は、
 ヒラリー・クリントン、バラクオバマら “エリート先頭集団”が何を言うかということ
 だった。

 ところが討論が開始されると、ヒラリーやオバマ共和党議員よりもはるかに退屈な保
 守派であることが露呈してしまったのである。一方でこの日最も会場を沸かせたのは、
 知名度ゼロのために討論会に招かれるかどうかも定かでなかったマイク・グラベルだっ
 たのだ。

「率直なアメリカ人」

 もともと退屈なイベントだった。討論会とは言っても、基本的には司会者が各候補者に
 質問をして、候補者が制限時間内に回答するという形式だ。これではディベートとは言
 えないし、議論が沸騰して候補者が本音を言うこともありえない。(NBC放送が主催し、
 司会進行役は人気ニュースキャスターのブライアン・ウィルソン)

「討論会の内容をいくつか抜粋し解説しよう」

(中略)

 ここまできてようやく、司会者のブライアン・ウィルソンが舞台隅の見知らぬ白髪の老
 人の演台に質問を向けた。マイク・グラベルの愉快な大舞台デビューである。

司会者:
グラベル元議員、あなたをよく知らない人たちのために説明しますが、アラスカ州上院議員として2期務めましたね。ベトナム戦争時には、戦争資金停止のために活躍しましたね。(中略)この舞台上の議員達に、あなたならどのようなアドバイスをしますか?

マイク・グラベル
「まあ、まず第一に理解しなきゃならんのは、ジョージ・ブッシュが詐欺的な基準に基づいてイラクに侵攻した時点でこの戦争は敗北していたということですな。それを理解しないといけません。議会で進行中の件については、実に嘆かわしい事態ですな。表決は下され、メディアは半狂乱だ。どんな表決だ?ジョージ・ブッシュは1年以上前から、大統領任期中はイラクから撤退させないと言い続けてる。信じられんだろう?

別の方策が必要だ。ペロシやリードと同じ席について、他の議員にも集中して話し合うよう望むが、どうやって撤退するつもりかね?決議案じゃなくて、法律を制定すべきだよ。撤退しなきゃ重罪になるという法律を作るんだ。その条文は私が用意する。

フィリバスター(発言による議事妨害)が心配なら、戦術をさずけよう。下院は通過できるだろうな。すでに多数派だから。上院では、フィリバスターをやらせればいいさ。それで、リード院内総務は毎日12時に討論終結動議を出すんだ。そしてアメリカ国民に、誰が戦争を長引かせているのかハッキリと見せてやれ!」(会場:拍手)


 この怒れる白髪の老人の話し方はまさしく率直で、正直で、おまけに過激だ。イラク
 ら撤退しなきゃ重罪にされる法律?ユニークで効果的なアイデアじゃないか。おまけに、
 ブッシュ政権批判に加えて、いきなり民主党の議会政策を批判している。−マイク、あ
 んた無党派か?

司会者:
グラベル議員、今年初旬にある会議で・・・これは確認したいのですが、あなたは大統領に選出されてもされなくても関係ないと発言していますが、ではなぜ、今夜この舞台に登場したのですか?討論会は大統領選に勝つために出馬した候補者のためにあるべきでは?」

グラベル
「その通りだな。確かにわたしはそう発言した。しかしそりゃ、ここの人たちと同席する機会に恵まれる以前の話だ。上院議員になるのも同じようなもんだ。初当選の時は、興奮して“どうやって当選できたんだろう?”と言うさ。ところが6ヶ月もすると、“他の連中は一体どうして当選できたんだ?”と言い出すんだ。(会場:笑い)実を言うと、彼ら議員さんと同席してみると、心底恐ろしくなるんだ。恐ろしいよ。主流派の候補者諸君は、イランに関してはあらゆる可能性を検討するなんて言っている。そりゃつまり、核攻撃もありうるということじゃないか。核兵器だ。言っとくが、私が大統領になったら、核兵器による先制攻撃など絶対にやらないぞ。わしが思うに、そりゃ不道徳だよ。もっとも、過去50年間のアメリカ外交はずっと不道徳だったがね。」

司会者:
「ちょっと自由討議しましょうか。グラベル(元)議員、それは重大な問責ですね。このステージ上の誰がそんなに恐ろしいのですか?」

グラベル
「先頭陣営の方々だよ。彼らが発言してるんだ。(ジョー・バイデン議員に向かって)ああっ、ジョー、あんたもその1人だぞ。あんたは本当に傲慢な人だな。あんた、イラク国民に国の運営について講義するつもりか?言っとくぞ!我が国はさっさと撤退すべきなんだ。何もせず撤退するんだ。彼らの国なんだぞ。彼らは我々に出て行けと言ってるんだ。それなのに我が国は駐留継続を主張している。なぜ出て行かない?どんな害があるというんだね?まあ、“それじゃ兵隊達の死が無駄になるじゃないか”という声もあるが、ベトナム戦争だって全部無駄死にだったじゃないか。今この瞬間にも、どんどん無駄に死んでいくんだぞ。1人の兵士が無駄に死ぬ以上に酷いことは何だと思うかね?もっとたくさんの兵士が無駄に死ぬことさ!それこそもっと悲惨だ。」

(中略)

司会者:
グラベル議員、同じ質問です。イラク以外に合衆国にとって脅威となる国は?」

グラベル
「重大な敵などいない。我が国に必要なのは、世界の国々に対し公平に対応することだ。それをやってない。我が国は世界の全ての国を合わせたよりも多くの金を防衛に費やしているんだ。一体何を恐れる必要がある?ブライアン、一体誰が怖いと言うのかね?わしゃ何にも怖くないぞ。イラクだって脅威ではなかった。それなのに侵攻した。全く信じがたい。軍産複合体は政府、株、石油を支配するだけでなく、わが国の文化まで支配している。」


 この討論会の主催はMSNBC、親会社はGE、つまり米防衛企業最大手のひとつだ。
 グラベルの言葉は正直で、あまりにも危険過ぎる。

司会者:
グラベル議員、あなたはアラスカ州選出上院議員として2期務めましたが、アラスカといえば石油資源が豊富ですね。フランスの制度をモデルとすれば、合衆国はお粗末なくらい原子力エネルギーの利用が遅れていませんか?」

グラベル
「全くそう思いませんな。この国で核開発批判を始めたのは私だよ。さらに言うと、徴兵を終わらせるために私は議事妨害をしたから、ジョージ・ブッシュを地上軍入隊から救ったのは私ということになる。アラスカにパイプラインを敷設したのも私だ。ところで、エネルギー問題や他の問題について聞かれるくらいなら、戦争や現在の状況について話させてほしいんだがね。我が国はテロリズムを誤解している。テロリズムとは文明の始まりから存在したし、文明の終わりまでつきまとうんだ。テロ戦争における成功はドラッグ戦争と同じ程度だ。効果ないんだよ。我が国に必要なのは、外交政策全体を見直すことだ。共和党側は民主党が祖国を防衛するつもりがないと責め立てるが、軍事侵攻はテロリストを増やしただけじゃないか。我々がイラクに侵攻したおかげで、オサマ・ビン・ラディンは今頃毛布の中で転げまわって喜んでるに違いないぞ。」


 司会者の質問を適当に捌いて、勝手に話題を変えるグラベルに司会者も困惑気味だ。

(中略)

 さて、ここからが今回の討論会のハイライトである。“テロに弱腰”という批判をずっと
 恐れているバラク・オバマは、どうしても“オバマ・ドクトリン”について説明したか
 ったらしい。

(中略)

司会者:
「時間オーバーです。グラベル議員、30秒でどうぞ。」

グラベル
「とんでもない。イランなら、我が国はもう26年間も経済制裁してるじゃないか。合衆国大統領は彼らを“悪魔”と呼んで、連中をひどく脅してるんだ。それでどうなる?そんなことに効果などない。意味ないんだよ。彼らを認めるべきだ。わかるか?核不拡散条約の最大の違反国は誰だ?アメリカ合衆国だよ!我が国は軍備縮小を始めると約束しておいて、何にもやっちゃいないんだ。我が国は核兵器をさらに増やしているじゃないか。あんたら、どこを核攻撃するつもりだ?教えてくれ、バラク!バラク!あんたはどこを核攻撃したいんだね?」

オバマ
「(苦笑して)どこも核攻撃する計画はないよ、今のところはね。マイク。約束しよう。」

(会場、笑い)

グラベル
「そうか、良かった。それじゃもうしばらくは安全だな。」


 バラク・オバマはリーダーシップを示したつもりかもしれないが、醜態をさらしたのは
 彼だ。クシニッチの指摘は見事だった。グラベルの突っ込みはジョン・スチュアートを
 超えそうなほど過激だ。

(中略)

 アメリカでは、レーガン登場以来、最大の政治資金を稼いだ人物が合衆国大統領になる
 という暗黙のルールがある。したがってグラベルが大統領に当選する可能性はほとんど
 ないだろう。

 グラベルは掲げる政策も個性的だ。彼は、直接民主制実現に向けた国民投票制度の導
 入を主張し、法人税所得税を全面撤廃して代わりに消費税を一律23%にすると言って
 いる−過激すぎて実現の可能性はどれも低い。

 だが、マイク・グラベルのド根性人生は、アメリカが世界に対して誇るべき数少ない
 側面を反映しているように感じる。爆撃外交を重ねる脅迫盗聴大統領ばかり目立つア
 メリカよりも、マイク・グラベルが評価されるようなアメリカのほうが、本当は誰だ
 って好きなはずだ。

 米世論調査専門家ゾグビーは言う:「国民はマイク・グラベルについて話題にしていま
 す。彼にバスの切符を買う金が続く限り、国民はもう数ヶ月は彼の言葉を聞くでしょ
 うね。」

グラベルディベートシーンハイライト:
http://www.youtube.com/watch?v=1gMlHv2lDqA&eurl=http%3A%2F%2Fhiddennews%2Ecocolog%2Dnifty%2Ecom%2Fgloomynews%2F2007%2F05%2Fpost%5F9dcc%2Ehtml

誰か、このグラベル爺の「ようとべ」に、ニコニコ動画かなんかで字幕つけてアップしてくれる人はいないもんかね?