今回は自殺者はでないけれど

 毎度、多くの犠牲者を出す著者にしては珍しいことだ。ベストセラー『ノルウェイの森』にいたっては、4人(男1女3)も自殺してしまう。かつて拙レビューで「若くて綺麗な子がセックスもあまりしないで死んでしまうなんて、もったいなさ過ぎる。自殺者が毎年3万人以上いる国で、このヒトの本が売れ続けるということに疑問を感じざるをえない。」と書いたことがある。「自殺者が登場するのが純文学だと勘違いしてるんじゃないの?」とも。
 だがしかし(以下ネタバレあり!)P170からの安達クミ。ハシッシはまずいんじゃないの?

「ちょっと調べてみたけど、医学的に見ても危険性はほとんどない。」

 書くのは表現の自由だが、自身の影響力の強さに対する責任感は持っていて欲しい。