「血液型性格判断」一番の問題点。

いわゆる「ABO血液型」と「性格に関係がある」という俗説の、反証については論を俟たない。俟つ、という頭の悪い人がいると困るので最近見つけた頁を2つ紹介しておくと。
血液型と性格は関係があるか? - 教育プロジェクト 脳の迷信・うそ - 大阪大学大学院 認知脳科学研究室:藤田研究室
ABO式血液型と性格との関係(個人的には多少突っ込みたい部分もあるけれど)要は、

いずれにせよ、血液型による性格分類が論理を欠いた学説であることは明らかで、曲学もいいところです。(前者から)

ABO式血液型の形質を決定するのは、主として、赤血球の表面に存在する抗原と、血漿に存在する抗体です。両者とも、血液脳関門を通過(して脳に到達)することはできません。(後者から)

ということにつきる。
しかし、それでも「みんな信じているから」とか「会話の遊び程度だから気にしなくていいでしょ」という認識に問題があるのだ。
わたくしの知る限り、このテーマに関して最も真摯に主張しているのが、
血液型と性格は関係があるか?(前掲の同名のものとは別の頁)の「最後に」である。

以上、血液型と性格の関連について簡単にまとめたが、最後に倫理的問題について一言述べる。 現代の日本において、血液型性格関連説が単なる占いや相性占いの域を超えて、 社会的に利用されるまでになっている。これは、差別・偏見を生む、大変な問題である。 特定の血液型に対する否定的な表現から差別や偏見が生まれたり、職場での採用・人事異動や、 保育現場での利用、恋愛・結婚・人生の判断にまで利用されたりしている。これらの行為は、 人間をよりよく理解しているのではなく、生まれつきの特性で他人を判断している行為であり、 性差・年齢・人種・民族・国籍・出身・家柄・少数者・政党政派・宗教・社会的地位・ 社会的弱者による差別・偏見と全く同じ行為である。 たとえ遊び半分であっても、血液型だけが例外ではありえない。

たとえば、よくある一般的なイメージあなたの思う各血液型のイメージって、どんなのですか? - Yahoo!知恵袋から

A型は、神経質、他人への気遣いができる
B型は、無神経、おおらか
O型は、誰とでもうまく付き合えるが、マイペース。
AB型は、二重人格、気分屋、したたか

これを、こう書き換えたらどうだろうか?

白人は、神経質、他人への気遣いができる
黒人は、無神経、おおらか
黄色人は、誰とでもうまく付き合えるが、マイペース。
混血は、二重人格、気分屋、したたか

日本人は、ほぼ同じ「肌の色」「瞳の色」「髪の色」をしているので。
さらに、こんな書き換えもありうる。

武士は、神経質、他人への気遣いができる
農民は、無神経、おおらか
商売人は、誰とでもうまく付き合えるが、マイペース。
職人は、二重人格、気分屋、したたか

識者がよく指摘していることだが、人には人を分類したがる悪い習癖がある。今の日本は士農工商がなくなった代わりにABO式を弄んでいるのかもしれない。
繰り返します。

これらの行為は、 人間をよりよく理解しているのではなく、生まれつきの特性で他人を判断している行為であり(中略)差別・偏見と全く同じ行為である。 たとえ遊び半分であっても、血液型だけが例外ではありえない。